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PROJECT STORY

プロジェクトストーリー

三和製作所では『sanwaオリジナル』として、自社で企画・開発した商品を販売中です。

現場の声に応えている多種多様なオリジナル製品の中で、

特に人気を集めている『コンパクトパーテーション』の制作プロジェクトストーリーをご紹介します。

T.K.

営業/2010年入社

大学卒業後はアパレル業界に身を置き、2010年に三和製作所へ。入社後は『特別支援教育教材カタログ』の立ち上げをはじめ、営業・MD(マーチャンダイザー)・業務の各部門に配属となる中、一貫してオリジナル商品の企画・開発に携わる。2024年から再び営業担当に。

S.M.

企画/2020年入社

前職での編集経験を活かし、2020年に三和製作所に入社。カタログ制作を担う制作部に配属後、2022年6月からMD課に移りカタログ制作に加え、商品の仕入れやオリジナル製品の企画も担っている。2023年にはT.K.さんの協力のもと、7点のオリジナル商品の開発に携わった。

THEME 01

sanwaオリジナルの人気商品『コンパクトパーテーション』ができるまで。

S.M.

『コンパクトパーテーション』は、T.K.さんが企画したんですよね?

T.K.

そうだね。創刊に携わった『特別支援教育教材カタログ』の初年度に、高額のウレタン製パーテーションが何点か売れていたことがきっかけで。「(学校が)限られた予算内で購入するには、少々値が張るのでは?」と思いつつ、「低価格の商品を開発できれば、より多くの子どもたちに届けられる」と確信があったんだよね。実際、先生方にお話を聞くと「安ければもっと導入したい」と、やっぱり必要性が高かった。その声を聞いて、社内でオリジナル商品を企画しようと決めた。

S.M.

価格を抑えるために、どんな策を立てたんですか?

T.K.

ヒントは、ある施設を訪問した際に、パーテーションの代わりにプラスチックや段ボールを上手に使って対応している様子を見たこと。「この形を発展させて商品を作れないか」と考えた。すぐに開発部門に相談して、プラスチック段ボールを折り加工して、段ボールの端にゴムをつけた試作品を作ったんだ。

S.M.

試作品は好評でしたか?

T.K.

特別支援学校向けの展示会に持ち込むと、ヒアリングしたすべての先生から「満足」の回答をいただけて。自信をもって製品化した『コンパクトパーテーション』は、これまでの市場には無い安価で、発売直後から大きな反響を集めたんだ。想定より多くの枚数を販売できたし、何よりたくさんのお客様に使っていただけたことが最高に嬉しかったね。

T.K.

そう言えば、S.M.くんは『コンパクトパーテーション』の新たなバリエーションを企画したんだよね?

S.M.

はい。『コンパクトパーテーション』は、当社で発行するカタログの中でトップクラスの販売実績をもつ商品です。「これだけ反響があるなら、派生するニーズがあるのでは?」と考えて。学校を訪問して先生に話を伺うと、新たなニーズがあったんです。

T.K.

現場の声は大切だよね。

S.M.

はい、本当に。「授業でパソコンを使うので幅広サイズがほしい」「壁際にパーテーションを立てて着替えに使っている」という声を参考に、背が高く幅が広いタイプの全身用パーテーションを考案しました。新たに追加板を付けられるタイプにして、拡張性を持たせたことがポイントです。

T.K.

バリエーションが広がって、より現場で使われる商品になったね。

S.M.

T.K.さんから『コンパクトパーテーション』で企画した考え方を教えていただいて、実践できました。ちなみにT.K.さんは今、企画部ではないのですが…無理矢理引っ張り出してきたんです(笑)。ゼロからものづくりを教えていただいて、2023年は7商品の企画に携わることができました。

THEME 02

「現場」「現物」「現実」を重視。愛される商品には常に“お客様の声”がある。

S.M.

先ほど少し触れましたが、T.K.さんから教えてもらったことで最も印象的なのは「自分の頭だけで考えず、しっかりと現場の意見に耳を傾けること」です。カタログ制作と並行して、月に3~4回学校に訪問しています。先生方と教材について意見交換していると、新たなアイデアが生まれてきますよ。

T.K.

それは、僕も新人の頃に先輩から受け継いだこと。特別支援教育に長年携わった先輩には本当にお世話になりました。

S.M.

T.K.さんは『特別支援教育教材カタログ』の創刊から携わっているんですよね。

T.K.

そうだね。当時のカタログは、どれも似たような製品がラインナップされていて。オリジナル性に欠けていて、あまり面白味を感じられなかったんだ。当社のカタログも第1号はあまり代わり映えしなかったけれど、第2号から変えていこうと決めた。

S.M.

どのように変えていったんですか?

T.K.

まずは、大型玩具店で全商品をチェックしてみた。と、言うのも学校で「おもちゃも指先の運動に役立ちますよね」と先生に話した際に、「カタログで買えるなら、それはすごくありがたいのだけど…」と聞いたから。それで特別支援教育領域には新規参入となる玩具メーカーさんに声をかけて、新たに30社に協力してもらったんだ。

S.M.

それも“現場の声”が起点だったんですね。

T.K.

そう。文科省から出ているような統計や資料をしっかりと読み込むことも大事ではあるけれど、僕は日常に目を向けることを重視している。先生方ももちろん一人の人間だし、日々お子さんを育てている親御さんもいる。目の前の子どもたちにどんなものが合っているか、一番知っている存在だと思うから。

S.M.

固定概念にとらわれず、現場に目を向けていたということですね。

T.K.

もちろん、アイデアだけでは不十分で、先生方や先輩たちにフォローしていただいたからこそ、根拠をもって薦められるカタログや製品を作ることができた。

S.M.

最初にカタログ制作を担当して印象的だったのは、T.K.さんが以前作ったクレヨンのページです。「売れ筋商品を1つ」ではなく、10種類ほどのクレヨンが載っていて。「クレヨンをしっかり握れない子ども向けに、握りやすい形のクレヨン」「口に入れちゃう心配のある子には、口に入れても無害なクレヨン」など、さまざまな障がいに対応できるラインナップでした。

T.K.

「特別支援教育」は小学校1年生から始まるけれど、障がいのある子の成長段階を踏まえて、幼児期から小学生という幅で、カタログに載せる商品を選んだんだ。その後は子どもの年齢が上がっても対応できる商品を段階的に増やして、幅広く対応できるようなカタログになった。

THEME 03

現場に役立つ“ものづくり”を担える存在に。

S.M.

今、三和製作所では“メーカー化”を掲げていて、自社でものづくりを進められる環境がどんどん整ってきていますね。自社工場の整備、協力工場の開拓…さまざまなお客様のニーズに対応できるよう、三和製作所の強みを理解しながら、教育現場の声に応えていきたいです。

T.K.

協力会社さんから思わぬアイデアをいただくこともあるよ。社内のメンバーも含めて、多くの人々のアイデアが結集して、良質な製品を開発できているんだと思う。

S.M.

T.K.さんが築いてきた信頼を引き継ぐ中で、非常に多くの人々からご協力いただいていることを実感できました。次号の『特別支援教育教材カタログ』では、よりお客様のニーズに応えていけるように、これまでを上回る数のオリジナル商品を掲載できたらと思います。今後もよろしくお願いします!

T.K.

もちろん、どんどん相談してほしい!三和製作所に入社して以来、日々、現場に役立つものづくりに取り組んできました。特別支援教育向けもそうですし、医療福祉向けもそうです。これからもたくさんの人に会い、より現場の声を集めて、新たな製品開発に取り組んでいきます!